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観劇が続いて。。。
ゴールデンウィーク前から続いた観劇ラッシュも、ようやく落ち着いた。
何本観たんだろう。。。
面白い舞台も多かったのだが、
それ以上に面白くない舞台が多かった。レベルが低すぎる舞台が多かった。
単純な言い方をすれば、舞台は簡単に出来る。
劇場おさえて脚本があって役者がいれば出来る。最近は劇場ではないちょっとしたスペースでの芝居もあるけれど、スタッフがいて演出や制作がいたらもうしっかりとした舞台だ。
出演者増やして役者が必死になってチケット売って家族や友人が観に来てくれたら赤字にもならないかもしれない。
面白い面白くないは個人の好みの問題だけれど、それはある程度のレベルがあっての話だ。
自分が役者をやってるから身内びいきみたいなもんで、本来なら舞台に立てるようなお金を貰えるようなレベルに達していない役者でも、下手でも未熟でも何でもまだ許せる。赤字にならないために何人も出したってイイさ。製作費だってもの凄く掛かる事も分かってるから、多少料金が高くたってイイよ。でもだったら誰かがプロじゃないと。観せ方を知ってないと。
・・・演出だよね。演出家だよね。
演出も経験しているから演出家目線で言えば、役者が達者なら演出が出来る。でもそうじゃない場合、演出する前に演技指導をしなきゃならない場合があるのも事実だ。それも分かる。あるいは演出と演技指導の区別が出来ていないであろう演出家も多いような気がするが。
でも料金を頂いてやる以上、それに見合うだけの観せるものにしなければならないのも事実た。それらも踏まえて観せられるだけの舞台を作らなきゃいけないのだ。
役者のレベルが低いから舞台のレベルが低いと感じたのではない。役者のレベルが低ければせめて演出が観せ方を知らなきゃいけない。それが出来ていないからレベルの低さを感じてしまったのだ。
前述したように未熟でも何でも簡単に舞台に立ててしまう。役者の演技の未熟さについて論じられる事も多い。でも同等に、あるいはそれ以上に未熟な演出家が多いのも事実のような気がする。
役者も演出も、やりたい事を書いて、やりたい事をやるだけの舞台ではなく、もっともっと観客の視点を持たなきゃならないのだよ。
そして同時に~当たり前だけど~役者はもっともっと切磋琢磨して演じる技術を持とう。演出に応えられるだけの技術と魅力を持った役者になろう。どんな劇場でも小さなスペースでも、本当の意味で面白い面白くない、好き嫌いを語ってもらえるような舞台を目指して。
~観劇前のカフェにて~
富沢たかし